シックスシグマ

リーンシックスシグマ グリーンベルトコース

グリーンベルトはどんな役割を担うのか?

グリーンベルトとは、チャンピオンから依頼された改善テーマにつき改善活動を担う「実行リーダー」であり、必須の人材です。

グリーンベルトには、①基礎的な改善ツール技法と、②チームを牽引するファシリテーション技法の両方を兼ね備えた技量が必要です。

本コースでは、リーンシックスシグマのグリーンベルトに必要な知識と技量の養成を行います。

1. 概要

リーンシックスシグマ グリーンベルトコース(VSM版)
対象者グリーンベルト候補の方
改善リーダー候補の方
期間2日間
日程貴社及び担当講師の都合を調整の上、決定します。
会場貴社
講師株式会社グローバルテクノ 講師
言語日本語または英語

2. 内容

第1章 リーンシックスシグマ(LSS)とは
第2章 改善テーマの選定(VSM作成演習)
第3章 Defineフェーズ
① チャーター
② SIPOC
③ 顧客の声(VOC)
④ メトリクス(COPQ)
第4章 Measureフェーズ
① サンプリング
② データ収集計画(DCP)
③ データの視覚化
第5章 Analyzeフェーズ
① 真因を特定するデータ
② 言語データからの真因の特定
③ 特性要因図、なぜなぜ分析、PICKチャート
第6章 Improveフェーズ
① ソフトツール
② PDCAの応用
③ パイロットチームでの活動
第7章 Controlフェーズ
① コントロールプラン
② 管理図
③ 活動定着のための工夫
第8章 Validation(評価)
第9章 本コースのまとめ、理解度確認
※ 上記掲載の内容はサンプルです。随時、断り無く変更となります。
※ 上記の内容(VSM版)の他、シミュレーションゲーム版もあります。
※ 上記の内容に、分散分析などの統計的手法を追加する5日間コースもあります。

リーンシックスシグマ チャンピオンコース

1. 概要

リーンシックスシグマ チャンピオンコース
対象者チャンピオン(スポンサー)候補となる幹部の方
期間2日間
日程貴社及び担当講師の都合を調整の上、決定します。
会場貴社
講師株式会社グローバルテクノ 講師
言語日本語または英語

2. 内容

第1章 リーンシックスシグマ(LSS)とは
第2章 チャンピオンの役割と責任
第3章 改善テーマの選定(VSM作成演習)
第4章 チャーター作成のポイント(演習)
第5章 実際の活動手順(DMAIC+V)
第6章 チャンピオンに必要なソフトスキル(演習)
第7章 本コースのまとめ
※ 上記掲載の内容はサンプルです。随時、断り無く変更となります。

リーンシックスシグマ ブラックベルトコース

1. 概要

リーンシックスシグマ ブラックベルトコース
対象者ブラックベルト候補の方、他部署や取引先への社内コンサルタント候補の方
期間10日間
日程貴社及び担当講師の都合を調整の上、決定します。
会場貴社
講師株式会社グローバルテクノ 講師
言語日本語または英語

2. 内容

第1章 リーンシックスシグマ(LSS)とは
第2章 改善テーマの選定(VSM作成演習)
第3章 Defineフェーズ
① チャーター
② SIPOC
③ 顧客の声(VOC)
④ メトリクス(COPQ)
第4章 Measureフェーズ
① サンプリング
② データ収集計画(DCP)
③ データの視覚化
④ 測定システムの分析(MSA)
⑤ MINITABトレーニング
第5章 Analyzeフェーズ
① 真因を特定するデータ
② 言語データからの真因の特定
③ 特性要因図、なぜなぜ分析、PICKチャート
④ 統計的仮説検定
⑤ MINITABトレーニング
第6章 Improveフェーズ
① ソフトツール
② TPS(トヨタ生産方式)ツール
③ 実験計画法(DOE)
④ MINITABトレーニング
⑤ パイロットチームでの活動
第7章 Controlフェーズ
① コントロールプラン
② 管理図
③ 活動定着のための工夫
④ MINITABトレーニング
第8章 Validation(評価)
第9章 本コースのまとめ、理解度確認
※ 上記掲載の内容はサンプルです。随時、断り無く変更となります。
※ 受講者は、MINITABをイントールしたPCをご持参ください。

開催までの流れ

開催までの流れは以下のようになります。

(1)お問い合わせ・概算見積もり
ご希望の内容、時期、人数などをお知らせください。
概算をEメールにてお届けします。
 (2) 日程の調整、仮予約
貴社のご希望日程(複数)をお知らせください。
人気講師は日程が早く埋まりますので仮予約をします。
(3)研修プログラムの決定
貴社ご希望内容を考慮し弊社で企画します。
(4)見積書の発行
見積をEメールにてお届けします。
(5)お申込み
弊社指定の申込書を記載し、ご提出ください。
(6)教材のお届け
教材は研修の開始前に貴社宛て送付します。
会場及び機器は、貴社にてご準備をお願いします。
(7)研修の実施
計画どおりに研修を実施します。
(8)修了書の授与
当日又は後日、コース修了証をお渡します。
(9)ご請求書の発行
貴社宛てにご請求書をお届けします。

リーンシックスシグマについて

1. リーンシックスシグマとは リーンシックスシグマ(Lean Six Sigma)とは、シックスシグマ(ばらつきの削減)とリーン(ムダの排除)を融合させた最新の改善手法です。近時では、TOC(全体最適)を融合させています。リーンシックスシグマは、シックスシグマ、リーン、TOCの3つの手法を、常に活用するものではなく、活動の内容に合わせ、最適な手法やツールを選択する点に特色があります。バリューストリーム分析により全体最適に向けた改善テーマを洗い出し、組織の経営目標に応じた重大性や緊急度などを考慮し、改善活動の優先順序や手法を計画し実行します。

2. リーンとは リーン(Lean)とは、プロセスのムダ排除を通じ、業務スピードの向上を目指す改善活動です。リーンはトヨタ生産方式を起源にしますが、展開方法がより明解です。 リーンの特色は、①あらゆる業務が対象であり(業務改善の70%はリーンの対象)、②活動期間が短期である点です。短期とはいえ、1回で終わる活動ではなく継続的な改善は必要です。リーンを行う場合のポイントは、活動計画を策定したら、「第一歩を早く始める」こと。最初から完璧を目指さず、走りながら改善します(継続的改善)。外部のビジネス環境はもの凄い速さで変動しています。待ち時間こそがムダになるのです。

3. シックスシグマとは シックスシグマ(Six Sigma)とは、定量的手法を活用するプロセス改善活動です(ISO13053-1参照)。 シグマとは元来、分布のばらつきを示す統計用語です。シックスシグマは、100万回の作業につき欠陥が3.4回しか発生しない程度のばらつきを意味します。欠陥ゼロがあり得ない以上、改善活動としてのシックスシグマは、業務プロセスのばらつきを、極めて小さい状態にすることを通じ、事実上、完璧なパフォーマンスレベルを目指す活動と言えます。シックスシグマの特色は、①徹底的なデータの活用(勘・経験・度胸だけの排斥)、②改善人材の育成と財務成果の獲得を同時に行う点です。誰もが納得できる内容です。

4. TOC(制約理論)とは TOC(制約理論)とは、業務プロセスの最適化を通じ、企業のゴール(継続的な利益拠出)達成を目的とする経営管理活動です。 全ての業務フローを制約条件に合わせ、同時に制約条件の改善を行うことにより、プロセスの全体最適化を図ります。TOCは、書籍「ザ・ゴール」で一躍注目を得ました。TOCに基づき全体最適に向けた改善活動の計画を行うことで、シックスシグマやリーンをはじめとする改善活動が、よりに効果的に行えます(書籍「ザ・ベロシティ」参照)。近時、この融合手法はTLS(TOC & Lean Six Sigma)とも呼ばれます。

5.参考:リーン・スタートアップ リーン・スタートアップとは、コストをあまりかけずに最低限の製品やサービス、試作品を作って顧客の反応を見るというサイクルを繰り返すことで、起業や新規事業の成功率が飛躍的に高まるという手法。リーン・スタートアップのポイントは、新たな事業を小さく始めて成功しそうかどうかを早期に見極め、芽がないと判断したら、すぐに製品やサービスを改良したり、事業の内容を一新したりして、軌道修正を繰り返すことにある。傷が浅いうちに進路を変更し、重傷を負って事業そのものが継続できない事態に陥ることを防ぐ。こうしてチャレンジを続け、成功へと近づけていく手法です。

シックスシグマ用語集

Lean Six Sigma 用語集

シックスシグマ活動を展開されます皆様をサポートするために、『シックスシグマ用語集』 を開設します。是非、ご活用ください。

3R

Right Project、Right Tools、Right Supportの3要素のこと。改善、改革の為に必要であり、どれか一つでも欠けてはならない。

BPR

(Business Process Reengineering) 業務内容や業務プロセスの流れ、組織構造を分析、最適化する手法のこと。 Lean Six SigmaではVSM手法が当コンセプトを吸収している。

Charter

プロジェクト計画書のこと。Lean Six Sigmaでは検討する際に、(1)なぜ改善するのか、(2)何を(具体的尺度)、(3)活動範囲は、(4)制約条件は、(5)いつまでに、(6)どうやって、などを設定する必要がある。ブラックベルトはこのチャーターに基づき改善活動を実施することになる。

COPQ

(Cost of Poor Quality) 経営品質、業務品質が悪いために発生する余分なコスト(費用)のこと。

CTQ

(Critical To Quality) 経営品質、業務品質に決定的、致命的に影響を与える数少ない要因のこと。

DOE

(Design of Experiments) 実験計画法(DOE)とは、プロセスや製品、サービス、解決策のパフォーマンスを改善し、最適化したい場合に、どのような実験をするのが最も効果的であるかを計画し、また実験によって得られたデータをどのように解析して結果を予測する手法。

ECRS

次の頭文字を取ったもの。(1)Eliminate(排除)、(2)Combine(統合)、(3)Rearrange(Replace)(順序の変更)、(4)Simplify(単純化)、の順番でプロセス改善の指針として活用する。

FPY(直行率)

(First Pass Yield) 個々のプロセスが滞り無く(手戻りが無い)、スムーズに通過する確率のこと。

JDI

(Just Do It) 改善をするに当たって単一部門のノウハウで対応可能なもの。従ってクロスファンクション思考は不要となる。Lean Six Sigma(DMAIC)を活用するほど規模が大きいものではなく、DMAICに比べて短期間に検討、実行できる活動のこと。

MECE

(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive) 漏れなく、ダブりなくという概念のこと。当コンセプトは、元々は事業戦略検討のコンセプトとして開発された。

METRICS

(Measure Everything That Results In Customer Satisfaction) 具体的尺度と基準値がセットになったもの。恣意的要素を含ます、メンバー全員で共有化するために必要となる。

N7

「新QC7つ道具」のこと。親和図法、連関図法、系統図法、マトリックス図法、マトリックス・データ解析法、アロー・ダイヤグラム法、PDPC法。

PDPC法

(Process Decision Program Chart) ゴールへのプロセスを構築する為のツールのこと。将来に起こる不確定要因に対する対応策を検討することにより「想定範囲内」を大きくする(想定範囲外を小さくする)。事前に検討する。

PICK チャート

Possible, Implement, Challenge, Kill) 問題点を、(1)「改善効果の大きさ」を大きいor小さい、(2)「改善の難易度」を難しいor容易 に分けることにより、取り組むべき問題点の優先順位を設定する手法のこと。

Q7

「QC7つ道具」のこと。チェックシート、ヒストグラム、グラフ、散布図、パレート図、特性要因図、管理図。

QCD

Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)の頭文字をとったもの。CTQを見つけるためにも使用される。特に製造業で重要となる考え。

RFP

(Request For Proposal) 具体的な提案を依頼することにより曖昧さを無くすことを目的として作成される。概要や要件、条件などを記述する。

RIE

(Rapid Improvement Event) JDIほど規模が小さくないがDMAICほど大きいものでもない活動のこと。欧米では1週間程度の専任組織を構成し、組織ノウハウを最大活用し改善案を検討する活動している。

SIPOC

(Supplier, Input, Process, Output, Customer) LSSのチャーターを検討する際に検討される。SIPOCで明確にすべきポイントは改善対象領域の明確化、改善プロセス検討の前提条件、前提条件とプロセスのアウトプットを明確にすることにある。

Statement

調査、分析を行った際に、個人によって捉え方がバラバラになることを防ぐために、「事実を具体的に共有化」しようとする概念のこと。例えば、ステップごとにデータ、各種分析図法の結果だけを提示するのではなく「要は何なのか」を簡潔に示すことがポイントとなる。

SWOT分析

強み (Strengths)、弱み (Weaknesses)、機会 (Opportunities)、脅威 (Threats) の頭文字をとったもの。各々を評価することにより戦略計画を設定するツール。基本的には、弱みを最小化し、強みを最大化する。

Toll Gate

DMAICのステップを踏む際に、各フェーズが適切に行われているかチェックするゲート(高速道路の料金所)のこと。各ステップでプロジェクト責任者が実施する。

VA/NVA

(Value-Added / Non-Value-Added) 仕事を顧客観点から「価値があるか否か」により、「VA(Value-Added)」と、「NVA(Non-Value-Added)」の2つに分ける手法のこと。NVAは極力排除し、VAはQCDをより効率的、より効果的に達成することが要求される。最近では、あるコンサルティングファームがVAでは無いが、業務上必要な手続きのプロセスを、BV(Business-Value)と定義している。BVを加えることによりNVAが極小化するリスクがある。

VOC

(Voice of Customer) 顧客ニーズを潜在的、顕在的の両方を把握すること重要となる。特に潜在的ニーズは顧客の視点で考えなければ理解できない(単に顧客ニーズを拾えば良いという事ではない)。Lean Six Sigma検討の際の原点である。

VSM

(Value Stream Map) プロセス(業務)を価値のある流れに再構築することにより、(1)強い組織、(2)効果的な組織、(3)ムダの無い組織、(4)効率的な組織、を作るために検討するツールのこと。Lean Six Sigmaにとって必須なコンセプト、手法である。ポイントとしては、「プロセスを特定」と、「問題点探し」の2点となる。VSMを検討する際には、(1)現状マップ(Current State Map)、 (2)理想マップ(Ideal State Map)、(3)目標マップ(Future State Map)の手順で検討していく。

Workout

GEが開発した改善手法のひとつ。問題解決に必要となる部門の担当者を集結し、保有するノウハウをベースに問題解決を図る手法である。説明会ではなく検討会であり、「テーマ(課題)の持ち帰り無し。その場で意志決定」のルールがある。

Y=F(X)

Yという現象に対して、X1、X2、X3…と複数の仮説をブレインストーミングで検討し、その後データで確認を行い、その仮説が原因であるかを検討する手法のこと。結果に対して、モグラたたき的な改善活動を防止する。

アロー・ダイヤグラム法

(Arrow Diagram) 適切な日程計画を行う為のツールのこと。PERT(Program Evaluation and Review Technique)をベースに開発されたスケジューリング手法が起源。プロセスの前後関係を明確にすることができる。

三現主義

「現場」に行って、「現物」を観て、「現実」的に考える。トヨタの現場現物主義が有名である。「現場現物」で本質を見極め、素早く合意、決断し、全力で実行する。SEJ、クボタなどは自社用にカスタマイズしている。

シックスシグマ情報

はじめに「シックスシグマは、ISO導入企業にこそお勧めします」

今や多くの企業・組織はISO9001(品質マネジメントシステム)の認証を取得しています。そして認証取得の動機の多くは、ご自身の企業・組織の発展に役立つという大きな期待にあります。ISO9001は2000年版に改訂されて、規格の目的自体が実質的には『(永続的な繁栄などの企業の目的を達成するための一環として)“顧客満足の向上”を目指す』と非常に明解になりました。


ISOは経営のツールとして役立つものですが、認証の取得がゴールではありません。それだけではISOの付加価値を十分に享受しているとはいえません。『“顧客満足の向上”を目的として“企業・組織の総合的なパフォーマンスと効率の継続的改善”』が達成でき、そしてその結果として、企業・組織の永続的な繁栄や理念の実現ができてはじめてISOが経営に貢献できます。そうでなければ、ISOのために“ムリ、ムダ”のある仕事が増えただけになってしまいます。


さて、“継続的改善”を、大きな成果を得ることができるように進めるにはどうすればよいか。単に改善活動をするだけではなく、そこから大きな成果を生み出さないと意味がないことはいうまでもありません。では、具体論としてどうすればよいのか。過去30年以上にわたって日本で活用されてきた改善活動の手法を持ち出すのもよいかもしれませんが、高度成長経済ではない今の時代において、経営に直結している問題・課題を解決する力を持つ手法であるシックスシグマを活用することも優れた選択の1つです。


その理由は、シックスシグマはこの『“顧客満足の向上”を目的とする“継続的改善”』を合理的に、効果的に、強力に、納得できるように達成できる手法だからです。また、経営上の重要な問題・課題は、従来の改善活動では取り上げることのなかったことや、取り上げても解決できなかったことをはじめとして、生産部門だけではなく、販売部門、開発・設計部門、サービス部門、スタッフ部門など、企業・組織のあらゆるプロセスのどこかに潜んでいるのであって、シックスシグマは、これらの従来の手法では改善することができなかった問題・課題を4~6ヶ月という短期間で確実に解決に導くことができます。これからの時代は“顧客満足の向上”と共にこれらの経営上の重要な問題・課題をいち早く解決できた企業・組織が生き残れる時代ともいえます。


シックスシグマはしかし、ISOとは別個の活動ではありません。問題・課題をISOの仕組みで管理し、シックスシグマで“顧客満足の向上”を実現しつつこれらの問題・課題を解決することで利益を得る、というように、車の両輪を成すものです。シックスシグマはISOを真に企業・組織に役立つものにするための戦術・考え方です。そして、シックスシグマは決して大企業・大組織だけのものではありません。ISOと同じように、強力なリーダシップのあるトップが率いる企業・組織でこそ大きく役立つ戦術・考え方です。ISOを導入されている企業・組織にシックスシグマを強くお勧めする所以です。


株式会社グローバルテクノ

シックスシグマ・マスターブラックベルト コンサルタント 瀬川 隆一

シックスシグマはどのような手法か

統計学的にシグマとは標準偏差のことで、一言でいえば、バラツキの度合いを示す指標です。シグマの値が大きいほどバラツキが大きいことを示します。測定したデータが10個あれば、10個のデータの和をデータ数10で割れば、データ集団の平均値が出ます。これでデータ集団の傾向をつかむことができます。失敗の起こる可能性を6σ(シックスシグマ)に押さえる(100万回に3.4回の失敗:3.4DPMO)ことを目標にするということは、ほぼ完璧に近い目標で、最高のプロセスで最高の結果を出すことを意味します。


これが本来のシグマの意味する所ですが、経営手法としてのシックスシグマは、「顧客満足の測定と積極果敢な目標設定により、ビジネスのあらゆる側面において継続的改善を推し進める経営哲学」であると定義できます。まさに、「企業文化を変革し、企業のパフォーマンス、成功、リーダーシップを確立・維持し、顧客満足を高め、統計的手法を適切に応用して、永続的に高収益体質企業を実現するための方法論」であると言えます。

シックスシグマの思想

統計学的にシグマとは標準偏差のことで、一言でいえば、バラツキの度合いを示す指標です。シグマの値が大きいほどバラツキが大きいことを示します。測定したデータが10個あれば、10個のデータの和をデータ数10で割れば、データ集団の平均値が出ます。これでデータ集団の傾向をつかむことができます。失敗の起こる可能性を6σ(シックスシグマ)に押さえる(100万回に3.4回の失敗:3.4DPMO)ことを目標にするということは、ほぼ完璧に近い目標で、最高のプロセスで最高の結果を出すことを意味します。


これが本来のシグマの意味する所ですが、経営手法としてのシックスシグマは、「顧客満足の測定と積極果敢な目標設定により、ビジネスのあらゆる側面において継続的改善を推し進める経営哲学」であると定義できます。まさに、「企業文化を変革し、企業のパフォーマンス、成功、リーダーシップを確立・維持し、顧客満足を高め、統計的手法を適切に応用して、永続的に高収益体質企業を実現するための方法論」であると言えます。

シックスシグマ導入の目的

「プロセスのステップには関連性がある」


資材供給元から顧客、間接部門の管理・販売・サービス活動をも一連のプロセスとして捉え、完全な「製品」を作るためにプロセスの改善をします。前から後ろからじっくり目配りをして改善の対象を見つけます。

改善から改革へ(QC手法との違い)

「従来のQC手法の概念とは」


いろいろな問題点を発見し、原因追及の上対策を講じ、結果を確認して効果を維持して行くこと。

仕事の結果のばらつきを減少させること。

再発防止をすること。

一方、シックスシグマ手法は、1)、2)、3)の概念に加えて顧客の望むもの・期待するものに照準を定め、トップ企業をお手本に、それを凌駕することを目指してDMAIC手法により改革を行います。

改善から改革へ

日産自動車低迷の原因(弊社刊行誌アイソムズ 2002年3月号より)


収益管理の欠点:品質と収益のバランス(顧客満足も利益がついてこなければ役立たない)

顧客第一の視点欠如:自社が考える視点での理由付け

セクショナリズム:部門や組織を超えた組織体系が機能せず、自部門の業務範囲での改善しかできない

危機感不足:危機感がないから痛みを伴う改革ができない

統一された明確なビジョン、長期計画がない:組織の方向付けるトップ方針がないため、何をなすべきかの一貫性がなく社員の「やる気」がでない(同社は1992年追浜工場、1995年村山工場、1996年栃木工場でデミング事業所賞を受賞した)。

カルロス・ゴーン社長の第一印象は「燃えるプラットホーム」に立っている事


経営とは環境の変化に対して自己改革に向かって走りつづけること。自分が今海の真ん中に浮かぶ燃えるプラットホームに立っていると想像して欲しい。早く脱出しないと船もろとも海中に没してしまう。生き延びるためにはたとえ行き着く先が見えなくても、ある方向に泳ぎ出さなければならない。重要な決断を下す際には燃えるプラットホームが不可欠である。


3つのコミットメント(いずれか1つでも達成できなければ責任を取って日産を去る)

  1. 2000年度黒字化
  2. 2002年度に営業利益率を最低4.5%に
  3. 2002年に有利子負債を7000億以下に削減
9つのクロスファンクショナルチーム(2週間もたたずに9つのCFTを発足させた)

  1. 事業の発展
  2. 購買
  3. 製造・物流
  4. 研究開発
  5. マーケティング・販売
  6. 一般管理費
  7. 財務コスト
  8. 車種削減・部品管理
  9. 組織と意思決定プロセス

カルロス・ゴーン社長のもとに、生え抜きの管理者がCFTの一員となり、抜本的改革の推進を行なった。

ISOとの融合

ISO9001:2000年版は、顧客ニーズに基づき顧客関連プロセスを見直し満足度を上げる顧客重視の項目が加わりました。シックスシグマにおいても顧客の声(VOC)を収集・分析し顧客満足度を測定し要求事項の優先度を判断します。顧客優先の考え方は一緒です。


ISO9001:2000年版では組織の目的に合った品質方針を立て、継続的改善を目指し、目標の設定とレビューの枠組みを制定します。シックスシグマでは経営品質に影響を与える最重要課題をCTQに据えてそれを順次ドリルダウンして行きます。そして個々の問題(課題)に絞り込んだ上でそれを解決するためのプロジェクトを召集して改善活動を行ないます。


ISO9001:2000年版で作った枠組みをシックスシグマのプロジェクトによって達成すれば、両者の特徴が生かせ融合が図れます。


経営課題=品質方針=CTQ

品質マネジメントの8原則(シックスシグマとの対比)

顧客重視  →  CSM手法により顧客の声(VOC)を明確にして顧客満足を測定、数値化をします。

リーダーシップ→  経営層によるCTQの決定とドリルダウンを行ないます。

人々の参画→  課題解決にふさわしい力量のある人々を選出し、チームを編成します。

プロセスアプローチ  →  組織の枠にはまらない活動(時にはサプライヤー、カストマーをも巻き込んで行ないます)

マネジメントへのシステムアプローチ  →  企業の全体最適を目的として、4~6ヶ月で成果を出す活動を行ないます。

継続的改善  →  挑戦的な目標設定をし、達成したら現場の活動に定着させます。

意思決定への事実に基づくアプローチ  →  事実に基づいて改善活動を行ないます。

供給者との互恵関係  →  供給者との協働改善活動を行ないます。

シックスシグマ活動の仕組

  1. 経営課題をドリルダウンすることにより、幾つかの改善テーマに行き着く。
  2. 改善額、利益計上金額による優先度付け(取組みやすさ)。
  3. ブラックベルトの下にメンバーをクロスファンクショナルで選出。
  4. プロジェクトチャーター(計画書)作成→テーマ、メンバー、活動期間、改善目標金額、指標と成果目標、顧客・経営層の期待、ベンチマーク先を決定。
  5. チャンピオンが業務としてのプロジェクトを承認する。
  6. 活動開始
  7. 解決策と成果見込みの把握
  8. チャンピオンが自分の職責に於いて実行し企業利益に貢献する。

活動の構図(シックスシグマの最終目標は)

企業風土の改革


顧客から求められたクォリティを改善するため、シックスシグマ活動はトップのリーダーシップによりチャンピオン・ブラックベルトを決定、各分野より最適者が集められたCFTによりDMAIC手法に則りプロジェクト活動を実施します。


その背景には顧客ロイヤリティの向上・企業ブランドの向上があります。企業の最終目標は利益向上によって企業理念を実現し、社会、ステークホルダーから尊敬される存在になることであり、シックスシグマ活動はそのような企業風土を築き上げることにつながります。

グローバルテクノのDMAIC Step

DMAIC


定義(D)の段階では課題を浮き彫りにします。

測定(M)、分析(A)の段階では改善策にすぐ飛びつかず、しっかり見極めます。

改善(I)の段階に入ってノウハウと事実・実験から最良の改善策を得ます。

管理(C)の段階では解決策を継続的に維持するため、プロセスオーナーへのバトンタッチを行ないます。

シックスシグマ推進7つのキーワード

1.(頑張ろう)ではなく数値の裏付けをもった、背伸びをした目標へ向かっての片手間ではできない改善活動。

2. 経営の立場から最も重要な問題・課題を抽出する。

3.(もぐらたたき・膏薬貼り)を絶滅し経験・勘・度胸を排除して統計的尺度(シグマ)を活用、測定による問題点発見。重要課題に根本から挑戦して、解決案を継続維持できるよう現場のプロセスオーナーにバトンタッチする。

4. 改善の専門家(ブラックベルト)を養成、CFTによってプロセス全体を改善する。

5. 全社での仕組みを作り、TQM、ISOなどの従来の活動との融合を図る。シックスシグマの名を使わずとも「経営課題として何が重要か」の視点から改善を行なう。

6. トップが本気になり、進退を掛ける気持での挑戦が最大の鍵。

7. 財務部門による厳正・公平な評価、損益計算書への反映。

株式会社グローバルテクノ 研修事業部(企業内セミナー担当)
E-mail:eigyo@gtc.co.jp TEL:03-3360-9005